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オレンジ色通信

ふつーの50代主婦の今日のツボ

 

回復

Edit Category 介護 > 実父の介護
7/21(日)

睡眠剤のおかげでぐっすり寝た父が目覚めたのが9時前。
ちょうど夫テツが病院に戻ってきてくれて、あたしは交替で朝ごはんを食べに行った。
15時間も父の病室に軟禁状態。あーー、、外の空気を吸いに行こう。
昨晩の寝不足で頭がぼぉーーっとする。

病室に戻ると、父はベッドの上でおいおい泣いていた。
「もう帰ろう・・・・もう帰ろう・・・・」 と繰り返し言いながら突っ伏して泣いていた。
はぁ・・・・もううんざり。聞きたくない。

頭をあげて窓の外を見つめる父。 すると突然、
「おい! 観音様が見えるぞ!!」 と。
へっ? 観音様???? 父の目線の先を見ると、

Img_1681.jpg

「あれ、仏壇屋!!」  (笑)

夫テツがクスクス笑う。 もーー、笑うような状態ちゃうけど、これには笑えた!
こっちもくたくたやからか、父の混乱がなんかもう笑えてきて・・・。

「観音様やぁ・・・・ 一緒に行こう・・・・観音様や・・・・」  と、母の名前を呼びながらおいおい泣く。
そのたびに あたしに 「仏壇屋!!」って突っ込まれながら。

そして、この日の夕方。嘘みたいに父は戻ってきた。まず顔つきが変わった。 憑き物が取れたみたいに元の父の顔になった。
せん妄って治るって言うけど、ほんまなんや・・・・びっくり。
「俺は、長い夢、見とったんか??」と。 ところどころの記憶はあるみたいで、自分が暴れたくった事は覚えていた。

血圧を測りに来た看護師さんに
「きのうは、、、すまんかったな・・・恥ずかしいことしてしもた・・・。 怪我なかったか?」 と聞いている父を見て、心の底からほっとした。 いったい何やったん? ホラーかよ。
人間の脳って不思議やね。

senior01_z_12.png 理恵  2019.7.21

看護師さんには謝っているくせに、あたしと夫テツのことは許さん!と。
「親に向かってあんな口聞きやがって!!」 と憎まれ口をたたいたが、夕方6時くらいにようやく 
「すまんかった。もう大丈夫やから帰れ。」と言った。 長い長い悪夢の2日間だった。
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せん妄

Edit Category 介護 > 実父の介護
-つづき

腰に拘束具をはめられた父は、それから無言で、無心に、拘束具を外そうと、
金具をグルグル回してみたり、力ずくで引っ張ってみたり、
何か道具はないだろうかと部屋中きょろきょろ見回し、首をひねり、ベッドの柵を引っこ抜こうとガチャガチャとしてみたり。
ずーーーっと、ずーーーっと、そればかりをやっていて・・・。
遠くから見ていたあたしの目には、檻の中に入れられて精神状態が悪い猿のように見えた。
突然父が 「たばこ買ってこいっ!!」 と怒鳴った。
たばこを吸いたいという意味ではない。 拘束具を焼き切ろうというのだ。
夫テツが 「お父さん、ここ病院ですよ。たばこなんて無理ですよ。」 と冷静に返す。
あたしはもう言葉をかける気さえなかった。
拘束具との格闘を約2時間繰り広げ、父はとうとう骨盤を抜いてするすると脱いでしまった。

「看護師さん! 拘束解いちゃいました・・・・。」
看護師さんは、「拘束されることでよけいに興奮状態になるのなら、しないでおきましょう。その代わり、娘さん、見張っててくださいね。」と。

部屋をうろうろしだした父は、急にイライラした様子で、
「おい! あの書類はどこや! 」
「へっ? 書類? 何の???」
「俺のやってる仕事の書類や!!」
「えっ・・・。 お父さん、入院してるんやで。仕事ってなに?」
「俺は今この大事な仕事やっとんじゃ! で、今の理事長は誰やねん!! 」

ぎょぉーーーーーーーー なんなん? 妄想? 幻覚?

そこへ看護師さんがガラガラとワゴンを押しながらやってきて、
「ちょっと血圧、酸素計らせてくださいね~。」 と。
すると父は、看護師さんのワゴンの上のパソコンを見ながら、
「お前、なかなかうまい事レイアウトしとんな。 あー、お前なー、俺の古いパソコンやるから、それくらい出来るんやったら、
ちょちょっとやっといてくれんか?」 と言った。

ひぃーーーーーーー 誰? あんた誰?

「えっ。 僕、看護師ですよー。 わかりますか? ここどこですか?」
そう聞かれて、 「わーーとる!わーとるがな! ここは、なんたら国立?県立?病院やろ?」 って答える。

・・・・・・・・・・・・・怖っ。 
「せん妄ですね。」 
せん妄とは、高齢者に多く発症する一種の意識精神障害。症状が認知症と似ていますが、せん妄は突然発症し、数時間から数週間にわたり症状が継続します。症状が時間とともに変化するのもせん妄の特徴です。
明確な原因は解明されていませんが、高齢者特有の「虚弱な状態」に、何らかの身体的、心理的な引き金因子が加わることで起こると考えられています。

知識はあったけど実際に見たのは初めて。 恐怖だ。
まるで二重人格。 父は病室の中で、ずっと何らかの仕事をしている自分でいて、書類がどうの、、、事業がどうの、、、
明日、京都へ行くからカッターシャツがどうのと言い続けた。
違う人格が父に乗り移っているようだった。 精神崩壊・・・恐ろしい。

延々こんな調子でいるもんだから、
最初、「眠り薬を使ってください。」というあたしの希望にたいして
「いや、そうやって薬でドロドロになってく高齢者の方を何人も見てきているので僕は使いたくないです。」と言ってくれた看護師さんも 「使いましょう。」 と観念してくれた。

眠り薬を入れられた父は、トロトロと、ようやく眠った。 朝までぐっすりと。
夫テツにはいったん自宅に帰ってもらい、あたしが病室に泊まることにした。 もう深夜だった。

senior01_z_12.png 理恵 2019.7.20

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プロフィール

理恵さん

Author:理恵さん
理恵さん(53歳♀)                              夫テツ(同い年♂)                                 ショウゴ (23歳♂)
うーた(大3♂)

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