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オレンジ色通信

ふつーの50代主婦の今日のツボ

 

せん妄

Edit Category 介護 > 実父の介護
-つづき

腰に拘束具をはめられた父は、それから無言で、無心に、拘束具を外そうと、
金具をグルグル回してみたり、力ずくで引っ張ってみたり、
何か道具はないだろうかと部屋中きょろきょろ見回し、首をひねり、ベッドの柵を引っこ抜こうとガチャガチャとしてみたり。
ずーーーっと、ずーーーっと、そればかりをやっていて・・・。
遠くから見ていたあたしの目には、檻の中に入れられて精神状態が悪い猿のように見えた。
突然父が 「たばこ買ってこいっ!!」 と怒鳴った。
たばこを吸いたいという意味ではない。 拘束具を焼き切ろうというのだ。
夫テツが 「お父さん、ここ病院ですよ。たばこなんて無理ですよ。」 と冷静に返す。
あたしはもう言葉をかける気さえなかった。
拘束具との格闘を約2時間繰り広げ、父はとうとう骨盤を抜いてするすると脱いでしまった。

「看護師さん! 拘束解いちゃいました・・・・。」
看護師さんは、「拘束されることでよけいに興奮状態になるのなら、しないでおきましょう。その代わり、娘さん、見張っててくださいね。」と。

部屋をうろうろしだした父は、急にイライラした様子で、
「おい! あの書類はどこや! 」
「へっ? 書類? 何の???」
「俺のやってる仕事の書類や!!」
「えっ・・・。 お父さん、入院してるんやで。仕事ってなに?」
「俺は今この大事な仕事やっとんじゃ! で、今の理事長は誰やねん!! 」

ぎょぉーーーーーーーー なんなん? 妄想? 幻覚?

そこへ看護師さんがガラガラとワゴンを押しながらやってきて、
「ちょっと血圧、酸素計らせてくださいね~。」 と。
すると父は、看護師さんのワゴンの上のパソコンを見ながら、
「お前、なかなかうまい事レイアウトしとんな。 あー、お前なー、俺の古いパソコンやるから、それくらい出来るんやったら、
ちょちょっとやっといてくれんか?」 と言った。

ひぃーーーーーーー 誰? あんた誰?

「えっ。 僕、看護師ですよー。 わかりますか? ここどこですか?」
そう聞かれて、 「わーーとる!わーとるがな! ここは、なんたら国立?県立?病院やろ?」 って答える。

・・・・・・・・・・・・・怖っ。 
「せん妄ですね。」 
せん妄とは、高齢者に多く発症する一種の意識精神障害。症状が認知症と似ていますが、せん妄は突然発症し、数時間から数週間にわたり症状が継続します。症状が時間とともに変化するのもせん妄の特徴です。
明確な原因は解明されていませんが、高齢者特有の「虚弱な状態」に、何らかの身体的、心理的な引き金因子が加わることで起こると考えられています。

知識はあったけど実際に見たのは初めて。 恐怖だ。
まるで二重人格。 父は病室の中で、ずっと何らかの仕事をしている自分でいて、書類がどうの、、、事業がどうの、、、
明日、京都へ行くからカッターシャツがどうのと言い続けた。
違う人格が父に乗り移っているようだった。 精神崩壊・・・恐ろしい。

延々こんな調子でいるもんだから、
最初、「眠り薬を使ってください。」というあたしの希望にたいして
「いや、そうやって薬でドロドロになってく高齢者の方を何人も見てきているので僕は使いたくないです。」と言ってくれた看護師さんも 「使いましょう。」 と観念してくれた。

眠り薬を入れられた父は、トロトロと、ようやく眠った。 朝までぐっすりと。
夫テツにはいったん自宅に帰ってもらい、あたしが病室に泊まることにした。 もう深夜だった。

senior01_z_12.png 理恵 2019.7.20

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Comments
Re: rossi 
rossiさん、気を遣わせてごめんなさい。
あたしも父のせん妄を見たときはさすがに焦った。
腎不全で泌尿器科で治療中、、、口の中の腫瘍でこの先、手術って言われてる。そのうえ、次は精神科???
もーどうなんの? 無理でしょ、、、って。

あたしも相当、この父の介護については隠さず自分の思いを書いてます。
最低だな、、、って自分で思う内容もあるけど、ほんまにそんなおどろおどろしい感情もわいてくる。
これは自分の日記やし、誰でも読めるように設定してあるのは、いろんな人に読んでもらって意見を聞けたら参考になるって思ったから。
だからrossiさんがほんまに親身に書いてくれるんでとてもうれしいし、何より、自分だけじゃないんだって思える。
傷ついたりしないよ。 むしろその逆。 上っ面だけじゃない、本当に心配してくれてるのが伝わって、申し訳ないと思ってしまう。ありがとうございます。

世の中にはきっと同じような思いしてる人がきっといると思う。
どうやってrossiさんは乗り越えていったのか、
どうやってあたしがこれから乗り越えていくのか、いろんな人の目に止まればいいなって思ってるよ。
 
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ウチのオカンも、よくなってた。

東京で大仕事が待ってる!
こんなトコでちんたらしてられへん!
とか叫んでました。

自分で排便も出来ず、オムツ状態のババァが何言うとんねん!
って初め思ったけど仕方ない。

ヘルパーに頼んで睡眠薬であろうが何でもガンガン飲ませて寝かせた。

ところが、ある真冬の夜中オカンは老人ホームを抜け出した(正しくは脱走)

まだ軽い症状の入所者が出入り口の暗証番号を係りの人が押すとこを
暗記してオカンに教えたらしいです。

夜中に110番通報されるわ職員の人は探し回らなアカンわで大変やったけど
何とか見つかりました。

真冬の夜中にパジャマと裸足で。

それから出入り口のカギは暗証番号とキーがないと開かない二重構造に
変わった。

親父さんは老人ホームと言うより非常に言い方がキツくて申し訳ないのですが
精〇病院に強制入院された方がいいかと思います。

別名:措置入院と言います。

拘束されてまで連れて行かれる状態なので強制入院に病院も同意して
下さると思います。
 


 
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