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危篤状態から3日目の朝

9/23(月)

また朝がきた。思うことは同じ。
昨晩、病院から電話はなかった。父はまだ頑張っているんだ。
今日も苦しむ父の病室で、ただただ父のあえぐような息の音や、のどに詰まった痰を吸い取る音を聞く。
入院した日から脈拍はずっと100を超え、父はもう5日間、走り続けているような体力の消耗。
はぁ・・・・・。 つらい。

台風17号の直接の影響はなかったけど、夜中に雨が降ったんやな。
道が濡れ、木の葉が舞った跡がある。
台風一過ですがすがしい青空。 洗濯物を干しながら、心の中で父に話しかける。
「お父さん、ショウゴの式典にどうしても行きたいねん。 もう十分。つらいやろ。 もう終わりにしよう。
 今日でさよならしよう。 お父さんやったら、 俺の事はいい。おまえ、行ってこい。行ってやれ。って絶対言うよな・・・」
そう思っては、また、とてつもない罪悪感、良心の呵責にさいなまれる。

下の部屋に下りて行って、朝ドラを見ていたら、電話が鳴った。病院からだった。
「お父さんの血圧が40に下がっています!今すぐきてください!!」

夫テツと車庫へ走る。 まだ寝ているうーたを起こしてすぐ来い!とショウゴに告げて。
心臓が口から出そうで、声がうわずる。

父の病室に続く廊下のつきあたりのナースステーションから看護師さんが走って出てくる。
えっ・・・・そんな状態なん。
父の病室のドアを開けると、今までと同じように酸素マスクをしてる父が居た。
「お父さん!!」って声をかけて横のモニターを見ると、
0・・・・・つーーーーーーーーーと線が左から右へ 
0・・・・・つーーーーーーーーー  赤く点滅して光り・・・脈と呼吸が「0」

嘘でしょ!!!   嘘や お父さん、死んだ。 間に合わんかった。

看護師さんが、「もうすぐ娘さん来てくれるから頑張って! って何度も声をかけたら、最後に おーーーーと声を出されました。」
と教えてくれた。

ごめん、ごめん、ごめん、ごめん
一人で死なせてしもた。
あたしが、朝、あんな事願ったから。 ショウゴの式典に行かせてっていうたから!!
きっと、そうや。 お父さん。
ショウゴとうーたが入ってきた。 「おじいちゃんが!」 そのあと、何て言うたか自分でも覚えていない。

父にしがみついて泣いた。 ガリガリの父の胸に。
ひとしきり泣いて、父の死を受け入れた。そしてやっと 「ありがとう。」 って思えた。 
お父さん、 あたしの願いを聞いてくれたんやな。 

母がグループホームに入所した今年の2月から父とあたしの7か月間の、すごく濃密な時間。
まだ実家であたしが暮らしていたころ、怖くて嫌いで、ほとんど口をきいたことさえなかった父。
今まででこんなにしゃべったこと、なかったよね。
父がけっこう、おしゃべりだって気づかされた。 父の笑い声を初めて聞いた。
口下手で、不器用で、だからこそわかりにくい、気難しい父の、愛情を感じた7か月間だった。

senior01_z_12.png 理恵 2019.9.23 
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テーマ : 頑張れ自分。    ジャンル : 日記

Comments

Re: れもん 
とてもあっけなく突然に逝ってしまった父を、
今、あれから1週間たって、あ~、なんとあっぱれだったか。去り際、ほんとに潔しと思っています。
れもんさんが書いてくれたように思えるようになりました。

父と過ごした7か月。あの時間は今となってはとても貴重で、いい時間だったな~と思えます。
入退院を繰り返し、病院で暴れたり、何度も電話かけてきて呼び出され、
うんざりしたこともいっぱいあったけど、それも含めて今は大切に覚えておきたいと思っています。
ありがとう。
このれもんさんのコメント読んで、泣きました。
Re: かりん 
そっか・・・・かりんもよく似た葛藤の中にいたんやね。
父の事を思う気持ちと、自分の生活が父のこの緊急事態によってめちゃくちゃになってる苛立ち・・・・
もう、ほんまにしんどかった・・・。
かりんの、父の余命を計算している自分・・・という表現、、、
すっごくわかります。 あたしもこのどうしようもない感情に苦しんだ。
今、父が亡くなって1週間たって、ほっとしています。
Re: rossi 
ありがとう。 
ほんとにキツイ5日間やった・・・。
一番しんどいのは父自身やのに、もうあたしが精神的に壊れそうやったわ~
でも、今はもう、気持ちの整理もついて、いろんな事に納得しています。
 
うちの義母は長い事 糖尿でした。
最後の方は週3日透析もしてましたがそれなりに元気で。
それがあるときいきなり白血病の宣告。
それでもしばらくは元気でしたけど・・・最終的に高熱を出し入院1週間という短い闘病生活で旅立っていきました。

寝たきりになることもなく 最後は本当に眠るようになくなりました。
私たちは子供たちに看病で迷惑をかけたくなったのかなーとか、
親孝行とかあるけど、逆に子孝行だよなーとか、いいように解釈してました。

理恵さんのお父様も去り際はきれいに・・・したかったのかもしれません。

最後の7か月 今まで見えなかったお父様のいろんな場面にも出会えたのだし
理恵さんは理恵さんなりの形で精いっぱいサポートしたのだから
大丈夫、お父様はわかってくださっていると思います。
 
なんか当時の私の状況と心情に似ていてドキドキしながら読んでました。
父が亡くなって10日後にどうしても行きたかった長男の大学院のオープンキャンパス(東京)に
行きました。父が生きていたら行けなかった。
父が亡くなって1か月後に長女と旅行に行きました。
半年前から計画して楽しみにしていた旅行。父が生きていたら行けなかったけど
あえてキャンセルはしなかった。
父の余命を計算している自分がいました。
理恵さん・・・・・リアルな理恵さんに会ってみたいなあと思った瞬間でもありました。。。
 
あまり自分を責めるもんではない。


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理恵さん

Author:理恵さん
理恵さん(53歳♀)                              夫テツ(同い年♂)                                 ショウゴ (23歳♂)
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