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『あのときすきになったよ』 |
2007年最初の読み聞かせです。
なかなか仕事で思うように学校に足を運べないでいるんだけど、今日はお休みだったので
子供達に元気をもらいに行ってきました!
選んだのは、友達ブロガーのショコラから教えてもらったこの絵本。素敵な絵本をありがとう
2007.2.9 3年2組
『あのときすきになったよ』
薫くみこ 作
主人公のゆいこさんの席の後ろに座ってる「きくちまりか」さん。
おしっこをもらしてばっかりいるから、彼女のことを「しっこさん」とあだなで心の中で呼んでいる。
いつも怒ったような顔をしているしっこさん。
なんとなく、、、キライ・・・。
ある日、クラスメートの男子がいたずらで金魚を死なせてしまった事件が起こります。
そのお墓を一緒に作ることになったことから、少しずつ心を通わせていく二人。
そしてある日のこと、主人公に起こった大ピンチ!
教室でおしっこを我慢出来ずもらしてしまいました・・・。
くつしたがぬれてく。
うわばきもぬれてく。
どうしよう、、、、、どうしよう、、、、、、。 水たまりが広がっていく。
その時!後ろの席に座っているしっこさんがわざと花瓶を倒して主人公を助けてくれます。
クラスに居たよな・・・なんとなくムシの好かない子。
自分は口に出して言わなくても、心の中でこっそりみんなと同じようにあだなで呼んでいじめてる・・・。
クラスからちょっと浮いてる存在・・・でも、なんとなく気になる。
この物語は、ちっとも好きじゃなかったクラスメイトのことをいつのまにか大好きになっていた女の子のお話です。
友達ってふとしたきっかけで心が通じることがあるよね。
自分とは全く共通点なんかないや!って思ってたのに、相手の話すことに共感出来る所を見つけたり、同じ気持ちだったんだ~ってうれしくなったり。
そんなちっちゃな歩み寄りから友情って芽生えていくんだと思います。
そして、主人公が教室でおしっこを漏らした時に、しっこさんが取った勇気のある行動は、
自分がかつて同じようにおしっこをもらしてしまった時に味わった悲しい気持ちがわかるからこそ出来たことなんだと思います。
みんなは出来るかな?
おしっこをもらした友達を助けるために、わざと花瓶を倒し教室を水浸しにする。
そんなやさしい勇気が出せるかな?
思わず胸が熱くなる場面です・・・。
主人公も教室でおもらしをすることがどれほどツライ事なのか、どんな気持ちがするのか
その事がわかって初めて、きくちさんのことを 「しっこさん」なんて意地悪で呼んでいた自分に反省するのよね。
人は相手の立場にたってこそ、人の痛みがわかるものなのです。
最後に主人公は心の中で何度も言います。
「しっこさんなんて、もういわない。
まりかちゃんが ゆるしてくれるまで わたしは ひゃくまんかいでもごひゃくまんかいでもずっと あやまる」
そして最後のページにこんな二人の会話が書かれてあります。
「まりかちゃん ごめんね。」
「うん。」
シーーーーーーーーンと静まりかえった3-2の教室で、一人の男の子がつぶやいたの。
「いいよ。」
そしたら、他の子供達も口々に、「いいよ。」「うん。いいよ~。」
そう、、、、しっこさんの言った「うん。」に続くせりふをみんなが言ってるの!
ごめんね、と謝る友達に、「いいよー。もう、いいんだよ。」って許してあげる優しい言葉が溢れてる・・・・。
あたしは、読み終えた絵本を閉じながら、泣きそうになるのを我慢してました。
けんかは気持ちがそこにある。
でも、いじめは気持ちが素通りしてる。
自分の気持ち、相手の気持ち。もっともっとぶつけあってどんどん話しをしてほしいなー。
それぞれが素直に感じた事を大切にしてほしいからね~。
【はしクミ】あたしもやっとこれを読むことが出来たよ。
今回は低学年だったけど、もし次、高学年の読み聞かせが回ってきたら、ぜひ読んでみたいと思ったわ。
6年生くらいになるとまた色んな思いで聞いてくれるだろうし、主人公の立場、しっこさんの立場を考えながら、それを今の自分と置き換えて考えることもきっと出来ると思うから。