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オレンジ色通信

ふつーの50代主婦の今日のツボ

 

ありがたい看護師さんの計らい

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-つづき

老人ホームを見学し、即決定の意志を伝えて父の入院先の病院へ。
看護師さんに 「老人ホームが見つかったので、木曜にでも退院します。」と伝える。
「えっ?? もう見つかったの?? よかったねぇー! で、いつ入居されるんですか?」
「父も、一旦、家に帰って、持って行くものとかを考えないといけないので、土曜日に入居しようかな・・・と」
「そうなると・・・・木曜日に退院するとして、その夜、、、次の金曜日の夜は、お父さんは家にひとり?」と看護師さんに言われて、
まぁ・・・・それは仕方ない。たった2晩くらい、なんとか父もやってくれるだろう。尿のバッグをつないだままにしとけば、自己排泄がうまくいかないなんてことはないんだから。
2晩だけ、我が家でみる?? いや、ないない。絶対いや。

その冷たいあたしの考えとは裏腹に、看護師さんが
「ちょっと待って。 木曜日に退院じゃなくて、外出ってことにして夜は病院に戻ってきてください。金曜日も。
そして土曜日に退院してそのまま入居されれば、お父さんがひとりになるってことないでしょ?
自宅でひとりで居られて、また状態がもしも悪くなったら、娘さんがせっかく決めてきたホーム入居の話も台無しになってしまうわ。今から先生に掛け合ってみます!!」
と言って部屋を出て行かれた。

あー、、、、なんと。 なんてありがたい・・・・
父の入院先は急性期病院。状態が良くなったらすぐにでも退院となる。
なのに、この看護師さんだけじゃない、、、入れ替わりする看護師さん、療法士さん、薬剤師さん、地域連携の方、そしてドクターもみんな、あたしに 「お父さん、独居でしょ? この先どうするの?」って声をかけてくれて心配してくれた。

人を助けるのはやっぱり人なんだ。

看護師さんのナイスな判断のおかげで土曜日まで入院させてもらうことになり、木曜日は外出扱いで父を老人ホームの面接に連れて行くことにした。

senior01_z_12.png 理恵 2019.7.23
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たった1日で老人ホーム決定

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7/23(火)

朝10時。 シニア住宅情報雑誌の方にも同行していただき、老人ホーム見学へ。
ここは以前、母のホーム探しの際にも来ていたところで、父の時はここがいいなぁ・・・と思っていた場所。
中に入ると、2月、母の事でいっぱいいっぱいの気持ちを抱えて泣きじゃくっていたあたしの話を、じっくり親身に聞いてくださった相談員の方が 「あっ!! 以前・・・・・」 と、あたしの顔を覚えてくださっていた。

この高齢化社会の世の中で、どれほど多くの方が親のホーム探しに翻弄し、見学に訪れるだろう。
なのに、相談員さんは、顔を覚えてくださっていただけではなく、あたしが母の時に話した内容も、きっちり覚えてくださっていた。
やっぱり、ここがいい。

老人ホーム入居にあたり、様々な条件をクリアしないと入居できない。
まず、一番最優先の尿バルーンの24時間管理。これは常住の看護師さんがいらっしゃるので大丈夫。
シビアな金銭面もなんとかいけるだろう、、、、と。 これが一番頭を悩ますポイント。
正直いって、介護にはすごくお金がかかる。あたしはその費用をすべて親の金で賄いたい。
親の年金に貯蓄。生命保険。 すべてを使っても親の金で払いたい。
それは、誰しも思う当たり前の理想だと思う。あたしにだって家庭があるし生活がある。
そこに親の介護資金なんて、どうやって工面したらいいのか・・・。
自分たちの老後資金を親の介護に使ってしまうなんて、最低な事態だけは避けたい。
ましてや、あたしは両親ともに老人ホームという選択をしたんだから、もし払えなくなったら・・・?と想像するとびびってくる。
身元引受人、保証人はすべてあたし。 
1円たりとも払いたくない!!! ケチに聞こえるかもしれない。非情に思われるかもしれない。
でも、子供時代から家庭内別居の両親の間でどれだけ嫌な思いをしてきたか・・・・っていうきもちが、あたしの中で消えないから。

そうは言いながら、あたしはやっぱりどんどん年老いていく親を思うと泣けてきてしまうのだ・・・。
居心地の悪い実家でも、断片的にいい思い出はあたまの片隅に残っているし、育ててもらった恩もある。
義務感と情のあいだを行ったり来たり。

父のここに至るまでの経緯を話して、理解していただいて、いよいよ、今現在、空室はありますか??
「たった1部屋だけ空いていますよ。すぐにでもご入居していただけますよ。」

やったぁ・・・・・・。 たった1日で見つかった。 しかもずっと父はここで、、と思っていた場所。
あたしはまたツイていた。

senior01_z_12.png 理恵 2019.7.23
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父の行先

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7/22(月)

父の主治医に呼び出された。
「腎臓の数値、炎症の値、どんどんよくなってきていつ退院してもらっても結構ですよ。」
そう、そうなんよなぁ・・・・ここは急性期病院。
しょっちゅう救急車で重症患者が運ばれてくるし、重い病状の方に早くベッドを空けないといけない。

今回の2回目の入院で、もう独居は100%無理だと誰もがわかっていた。
父、本人もわかっていたと思う。
ケアマネージャーさん、病院の地域連携、ドクター、看護師さん、そしてあたし。
父の病室であたしを見つけると、「どうするの?今後・・・・」ってみんな心配してくれて動いてくれた。
当初、状態がよくなったらここを退院して、もっと小さな病院に転院させてもらえるように、地域連携の方と話していた。
それが、先週の土曜日にせん妄状態で暴れたもんやから、また違う病院に転院っていうのも不安やし、可哀想にも思う。
で、あたしが出した決断はやはり老人ホームを探すという方向。しかも早急に。
とにかく時間がないのだ・・・・

すぐケアマネージャーさんと連絡を取り、その意向を伝えた。
ケアマネージャーさんから、「シニア住宅情報」をもらい、父の尿バルーン状態でも受け入れてくれて、なおかつ、24時間の尿管理をしてくれる施設を探すことにした。

今年の2月に母が認知症で入所した時、あたしはかなりの時間を老人ホームの情報収集に費やした。
運よく、母のグループホームは、母を我が家へ引き取ってから1週間で見つかったけど、今度は尿バルーン留置といった医療の部分の管理が最優先。
病院と老人ホームが併設されているところも近隣にはあるけれど、病院というカラーが強く、父がはたしてリラックスできるのか。
認知症もなく、母と同居していた時から自由気ままに過ごしてきた父。
退院後の生活があまりにも制約がありすぎるのもしんどいやろう。

そこで、サ高住を考えた。
問い合わせると、サ高住は常駐の看護師さんがおられず、3時間おきの尿排出や夜の尿バッグへの接続管理など、
訪問看護師さんを依頼するとすべて自費になりかなり高額になってくる。
と、すると、介護付き有料老人ホーム。これしかない。

母の時に、あちこち見学に行ったが、父の時はここがいいかなぁ・・・・なんて漠然と思っていたホームがあった。
とにかく時間がない!!  もういつでも退院してもいい状態。 
あたしの頭の片隅にピックアップしてあったホームへ早速あす、見学の予約を取った。

senior01_z_12.png 理恵 2019.7.22

どーか、1室でも空いてますように・・・・
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回復

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7/21(日)

睡眠剤のおかげでぐっすり寝た父が目覚めたのが9時前。
ちょうど夫テツが病院に戻ってきてくれて、あたしは交替で朝ごはんを食べに行った。
15時間も父の病室に軟禁状態。あーー、、外の空気を吸いに行こう。
昨晩の寝不足で頭がぼぉーーっとする。

病室に戻ると、父はベッドの上でおいおい泣いていた。
「もう帰ろう・・・・もう帰ろう・・・・」 と繰り返し言いながら突っ伏して泣いていた。
はぁ・・・・もううんざり。聞きたくない。

頭をあげて窓の外を見つめる父。 すると突然、
「おい! 観音様が見えるぞ!!」 と。
へっ? 観音様???? 父の目線の先を見ると、

Img_1681.jpg

「あれ、仏壇屋!!」  (笑)

夫テツがクスクス笑う。 もーー、笑うような状態ちゃうけど、これには笑えた!
こっちもくたくたやからか、父の混乱がなんかもう笑えてきて・・・。

「観音様やぁ・・・・ 一緒に行こう・・・・観音様や・・・・」  と、母の名前を呼びながらおいおい泣く。
そのたびに あたしに 「仏壇屋!!」って突っ込まれながら。

そして、この日の夕方。嘘みたいに父は戻ってきた。まず顔つきが変わった。 憑き物が取れたみたいに元の父の顔になった。
せん妄って治るって言うけど、ほんまなんや・・・・びっくり。
「俺は、長い夢、見とったんか??」と。 ところどころの記憶はあるみたいで、自分が暴れたくった事は覚えていた。

血圧を測りに来た看護師さんに
「きのうは、、、すまんかったな・・・恥ずかしいことしてしもた・・・。 怪我なかったか?」 と聞いている父を見て、心の底からほっとした。 いったい何やったん? ホラーかよ。
人間の脳って不思議やね。

senior01_z_12.png 理恵  2019.7.21

看護師さんには謝っているくせに、あたしと夫テツのことは許さん!と。
「親に向かってあんな口聞きやがって!!」 と憎まれ口をたたいたが、夕方6時くらいにようやく 
「すまんかった。もう大丈夫やから帰れ。」と言った。 長い長い悪夢の2日間だった。
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せん妄

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-つづき

腰に拘束具をはめられた父は、それから無言で、無心に、拘束具を外そうと、
金具をグルグル回してみたり、力ずくで引っ張ってみたり、
何か道具はないだろうかと部屋中きょろきょろ見回し、首をひねり、ベッドの柵を引っこ抜こうとガチャガチャとしてみたり。
ずーーーっと、ずーーーっと、そればかりをやっていて・・・。
遠くから見ていたあたしの目には、檻の中に入れられて精神状態が悪い猿のように見えた。
突然父が 「たばこ買ってこいっ!!」 と怒鳴った。
たばこを吸いたいという意味ではない。 拘束具を焼き切ろうというのだ。
夫テツが 「お父さん、ここ病院ですよ。たばこなんて無理ですよ。」 と冷静に返す。
あたしはもう言葉をかける気さえなかった。
拘束具との格闘を約2時間繰り広げ、父はとうとう骨盤を抜いてするすると脱いでしまった。

「看護師さん! 拘束解いちゃいました・・・・。」
看護師さんは、「拘束されることでよけいに興奮状態になるのなら、しないでおきましょう。その代わり、娘さん、見張っててくださいね。」と。

部屋をうろうろしだした父は、急にイライラした様子で、
「おい! あの書類はどこや! 」
「へっ? 書類? 何の???」
「俺のやってる仕事の書類や!!」
「えっ・・・。 お父さん、入院してるんやで。仕事ってなに?」
「俺は今この大事な仕事やっとんじゃ! で、今の理事長は誰やねん!! 」

ぎょぉーーーーーーーー なんなん? 妄想? 幻覚?

そこへ看護師さんがガラガラとワゴンを押しながらやってきて、
「ちょっと血圧、酸素計らせてくださいね~。」 と。
すると父は、看護師さんのワゴンの上のパソコンを見ながら、
「お前、なかなかうまい事レイアウトしとんな。 あー、お前なー、俺の古いパソコンやるから、それくらい出来るんやったら、
ちょちょっとやっといてくれんか?」 と言った。

ひぃーーーーーーー 誰? あんた誰?

「えっ。 僕、看護師ですよー。 わかりますか? ここどこですか?」
そう聞かれて、 「わーーとる!わーとるがな! ここは、なんたら国立?県立?病院やろ?」 って答える。

・・・・・・・・・・・・・怖っ。 
「せん妄ですね。」 
せん妄とは、高齢者に多く発症する一種の意識精神障害。症状が認知症と似ていますが、せん妄は突然発症し、数時間から数週間にわたり症状が継続します。症状が時間とともに変化するのもせん妄の特徴です。
明確な原因は解明されていませんが、高齢者特有の「虚弱な状態」に、何らかの身体的、心理的な引き金因子が加わることで起こると考えられています。

知識はあったけど実際に見たのは初めて。 恐怖だ。
まるで二重人格。 父は病室の中で、ずっと何らかの仕事をしている自分でいて、書類がどうの、、、事業がどうの、、、
明日、京都へ行くからカッターシャツがどうのと言い続けた。
違う人格が父に乗り移っているようだった。 精神崩壊・・・恐ろしい。

延々こんな調子でいるもんだから、
最初、「眠り薬を使ってください。」というあたしの希望にたいして
「いや、そうやって薬でドロドロになってく高齢者の方を何人も見てきているので僕は使いたくないです。」と言ってくれた看護師さんも 「使いましょう。」 と観念してくれた。

眠り薬を入れられた父は、トロトロと、ようやく眠った。 朝までぐっすりと。
夫テツにはいったん自宅に帰ってもらい、あたしが病室に泊まることにした。 もう深夜だった。

senior01_z_12.png 理恵 2019.7.20

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理恵さん

Author:理恵さん
理恵さん(52歳♀)                              夫テツ(同い年♂)                                 ショウゴ (23歳♂)
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